コア・ファンドとは

コア・ファンドという用語は、私募・非上場の不動産ファンドの運用戦略の1つとして、グローバルにも多く利用されています。基本的には、不動産賃貸からの安定的なインカムの獲得を主目的として運用され、レバレッジも他の戦略よりは低レバレッジである等、不動産運用戦略の中では、低リスクなファンドを示すものとして、使われていますが、グローバルに確たる定義がないのも事実です。

ARESでは、こうした状況に鑑み、ARES私募ファンドガイドラインにおいて、ファンドの運用戦略による分類を例示しています。

J-REITは、この分類では、プレーンなコア型と位置付けられ、AJPIとAJFIのユニバースに採用しています。一方、私募・非上場ファンドについては、下記分類のうち、コア型とコアプラス型をユニバースの対象としております。

運用戦略による分類

名称
内容
コア型

ファンドの主要な期待リターンの源泉が、不動産賃貸からの生じるインカム・リターン(以下「賃貸インカム」)の獲得を目的として運用されるファンド

  • この場合、キャピタル・リターンについては、主要な期待リターンではないが、低〜中リスクの不動産市場の変動リスクを負う。
コアプラス型

ファンドの主要な期待リターンの源泉が、コア型と同様、賃貸インカムの獲得を目的とするが、一部についてはキャピタル・リターンの獲得をも目的として運用されるファンド

バリューアッド型

ファンドの主要な期待リターンの源泉が、賃貸インカムの獲得に加えて、割安に取得した不動産等について、積極的に収益性を高め、不動産価値を増加させることによりキャピタル・リターンの獲得を目的として運用されるファンド

  • 投資対象によっては、現状の収益性が陳腐化等により劣後している不動産等に投資されることも多く、一般に、コア、コアプラス型より、リスクが高い
オポチュニスティック型

ファンドの主要な期待リターンの源泉が、市場動向予測に基づいた不動産の売買により、キャピタル・リターンの獲得を目的としたファンド

  • 賃貸や売買市場動向の予測に基づく転売利益、またはバルクセールの買収処分、M&Aなど多様な形態があるが、上記よりもリスクが高いもの
  • ファンド分類では、参考までに、例えば欧州INREVやANREVなどでは、レバレッジやキャピタル目的の投資に関する制限を設けている例もあります。